定年後再雇用で責任もないし時間もできるから、いろいろやり残してあったことを一つ一つやっていこうと思っていたが、何も変わらんね。
先日から、少し相談を受けたことがあって、自分なり色々調べていたことがあった。mixed-modeのs-parameterの件、いわゆるdifferential/commonのsパラであるが、会社にあるTDR測定ではSdd11しか見ないし、4ポートのVNAなど周囲にないから(アンテナもS11しか見てないし)、ふーん?、程度にしか考えてなかった。matlabにRF toolbox入れてるのはアンテナを自分で作りたいからで、ちょっとそろそろ避けて通れないか?みたいなかんじではある。
4ポートのVNAで測定したMixed-Mode(以降MM)のsパラはdifferentialとcommonの混在で4x4行列になっている。この行列がどのポートでそれを測定したかによって意味が変わってくるという話
一般的なMMのsパラ行列は
MM_s =[[S_dd11 , S_dc11 , S_dd12 , S_dc12],
[S_cd11 , S_cc11 , S_cd12 , S_cc12],
[S_dd21 , S_dc21 , S_dd22 , S_dc22],
[S_cd21 , S_cc21 , S_cd22 , S_cc22]];
\begin{bmatrix} S_{\mathrm{dd}11} & S_{\mathrm{dc}11} & S_{\mathrm{dd}12} & S_{\mathrm{dc}12} \\ S_{\mathrm{cd}11} & S_{\mathrm{cc}11} & S_{\mathrm{cd}12} & S_{\mathrm{cc}12} \\ S_{\mathrm{dd}21} & S_{\mathrm{dc}21} & S_{\mathrm{dd}22} & S_{\mathrm{dc}22} \\ S_{\mathrm{cd}21} & S_{\mathrm{cc}21} & S_{\mathrm{cd}22} & S_{\mathrm{cc}22} \end{bmatrix}
となっているようで、ポートの順番は、Diff1、Com1、Diff2、Com2 になっているようだが、実際にどのポート(番号)を使ってペアを構成するかは測定者にしかわからない、それによって意味が変わってくるって話・・・であるが、MMのまま見るのであれば、上の例でdifferentialの透過(Sdd21)をplotしようとする場合、
import skrf as rf
from matplotlib import pyplot as plt
ntwk = rf.Network('hogehoge.s4p');
ax1=plt.subplot(311);
ntwk.plot_s_db(m=2,n=0);
となると思われる。
普通(何が普通なのか?がわからんが?)に考えたら、4ポートのVNAの1,2を使ってdd11、3,4を使ってdd22を見るわな。そういうふうに並んでるし・・(いや、そうではないVNAもあるな。1,2,3,4と並んでいるのもあれば、1,3,2,4で並んでいるのもある)
MMであるが、上の例の並びではないファイルがあるようだ。自分が目にしたTouchStoneは、Sdd11,Sdd21をプロットすると期待に応えないプロットがされてたが、コメント欄に順番が書いてあった
!MixedMode
!DutToConverterPinDefinitions,+2,-2,-1,+1
!UserPortDefinitions,D2,C2,C1,D1
UserPortDefinitionsは、インデックスの順番(列0の行の順番、および行0の列の順番)を示しているっぽい。
\begin{bmatrix} S_{\text{dd}22} & S_{\text{dc}22} & S_{\text{dc}21} & S_{\text{dd}21} \\ S_{\text{cd}22} & S_{\text{cc}22} & S_{\text{cc}21} & S_{\text{cd}21} \\ S_{\text{cd}12} & S_{\text{cc}12} & S_{\text{cc}11} & S_{\text{cd}11} \\ S_{\text{dd}12} & S_{\text{dc}12} & S_{\text{dc}11} & S_{\text{dd}11} \end{bmatrix}
一応、期待値に近いプロットが得られている。chatGPTさんも同じことをおっしゃっていたのだが、最初はおっしゃている意味をうまく理解できていなかった。列0で行の順番というのは、Sdd22の太字の部分がd2,c2,c1,d1の順に並んでいるということだった。行列逆はその逆
さっきも書いたように、MMをMMとして表示プロットする分にはこれで良いのだが、これをSingleEndに変換してSingleEndの特性を確認したいと言い出すとなるとどのポートを組み合わせて差動にしたかで違いが出てくる。
それで、上のコメント DutToConverterPinDefinitions は内部ポートをTouchStoneのポートに置き換えている定義ということのようだ。これはWavePulserが内部でポートを固定にしているっぽいような話だが、よくよく不明。マニュアルには下記のよう記載がある。
Mixed-Mode Port Configuration
Use this method to configure mixed-mode S-parameters in which ports are paired to correspond to the + and - sides of a differential pair. In the example below, while differential pairs are connected to physical ports (1,2) and (3,4), the lines are organized differently in the output file matrix.
しかし、この順番だともらったファイルは内容が異なり、期待値ではない波形がプロットされる、あとでもう一度確認してみる。ChatGPTさんに、何度も質問をしているがどうも期待にそぐわない結果しか得られない。
コメントを追加