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ジャンクション温度

トランジスタ、MOSFETのもっとも重要なパラメータに熱(損失)というものがある。素子には絶対最大定格として電力や電圧、ジャンクション温度などの定義があるが、どれも超えてはならない。

このうちジャンクション温度について書いておきたい。

ちなみに、絶対定格のうち損失Pcというのがあるが、トランジスタでのPcとはコレクタ損失のことであり、これはコレクタ温度=25℃で最大印加できる電力ということになる。つまり無限大の放熱器上にコレクタが装着されている状態で印加できる電力だ。

 

後日、加筆する

 

ジャンクション温度の測定

ジャンクション温度は内部温度だから計測できないので動作波形などから推測して判断するが、計測器に頼って、電圧電流を実測して算出したら、Tjが1000℃を超えていて、燃えていたっておかしくないのに触ったら冷たいという、経験がある人もいると思う。これは測定の仕方に問題がある場合が多い、電圧は案外正確に測れるもの、電流はというとおそらく電流プローブで測ることになるだろう。ここで問題となるのは電流と電圧のスキューだ。電流プローブはホール素子を用いているものがほとんど(全部?)であり、電圧プローブのアンプの立ち上がりより遅い、そして若干の遅延がある。また、困ったことにこの遅延は立ち上がり時間に依存している。つまり高速信号の時と低速信号の時ではスキューが明らかに異なる。

電圧プローブはオシロスコープに基準電圧(波形)が出る端子があり、オフセットとゲインを補正して使うが(やらない人もいてこの人何を測っているんだろう、、と思うことがある)電流プローブは、それができない。よくやる手法としては、基準波形を出しているところにリード線で10回程度のループを作り、それをカレントプローブで挟むという手法である。これによって電圧プローブで補正をかけた補正値に合わせてスキューを調整することができる。

しかしながら、この基準波形は遅い。高速になるとスキューがずれる。よって、目合わせしかない。いやー、どんだけ先進にデジタルになってもここはアナログやな。

 

電圧と電流

これはジャンクション温度とは直接関係のない話だが、Vce=5V、Ic=150mA定格のトランジスタがあったとする。TO92パッケージのものでこの手のものは多いが、よくネットで5Vで150mAしか流せない、使えないね、みたいな記載が見受けられる、これはよくある間違いだ。5Vで150mA流せたら0.75Wも消費できる。

 

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