ADIから送られてきたメールの中にわかりやすい説明があったので、ここにあらためて書いておく。自分のための備忘だ(年のため)
VSWRにしろ、sパラにしろ、VNAでの1port測定には欠かせないパラメタである。SWRを「スタンディング」と呼んだり、定在波比と表現したりインピーダンスとは何かを解説している例は至るかしこにある。
負荷ZLに入力されるa、出力のbを考えると、a=bであれば反射も損失もない状態と言える。このときの反射係数は下記の式になる。
$$ R=\frac{b}{a} $$
損失が必ずあるから、b<aであり、Rは1より小さい。この式を伝送ラインの特性インピーダンスをZ0(このとき行くaと、帰るbは同じ特性インピーダンスである)、負荷インピーダンスをZLとすると下記のようにも表せる。
$$ R= \frac{(ZL-Z0)}{(ZL+Z0)} $$
理想的な状態ではZL=Z0なので、R=0であり、反射はない。一方、開放端を考えるとZL=∞となり、R=1と近似され、これは全反射となる。通常ZL≠Z0であるので、損失が生じその分反射が生まれる。これを反射損失(Return Loss=RL)と呼ぶ。
RLは入力と反射の電圧比率を表していて
$$ RL=-20Log(|R|) \text{[dB]} $$
と表記され、負荷がどれだけ回路のインピーダンスにマッチングしているかを表している。ここで、負荷のミスマッチ、つまりどれだけマッチングしているかを表す指針として、SWRが使われる。
$$ SWR=\frac{(1+|R|)}{(1-|R|)} $$
SWRは定在波における、最大電圧と最小電圧の火として表されるため、一般的にはVSWRと表記される。
SWR=1の場合は完全にマッチングしていて理想的な状態。業務で聞き及んだ値(アンテナとしてであるが)としてVSWR=5以下であれば、ほぼ反射が許容されると言われる。
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