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USB-Cチェッカ

USB-Cケーブルチェッカなるものを製作しました。USB-CはPD(PowerDelivery)、Type-C、Altモードなど複数の規格が混同しています。ぱっと見ではそれがどれに対応しているのかがわかりません。そこで、端子一本ごとに信号を送って受信することで接続情報を表示できるようにしてみました。

同じようなものは販売されております。(https://bit-trade-one.co.jp/adusbcim/)。さらにこれと同様のものはトラ技で過去に特集があったことや、販売のものと全く同じではないものの、回路図はgithubで公開されていたりします。(https://github.com/aroerina/LimePulse_USB_cable_checker)販売されているものはもう少し高機能で、オリジナルの作者の方は別にいらっしゃるようです(むかしTwittterに流れていたように思います)

AやB、Microやminiなど、見た目で大体わかるものは、どうでもよくて、知りたいのは覗き込んでもよくわからないType-Cケーブルだろうということで、Cに特化して液晶でチェックができるものを目指しました(妥協点も多々ある)。前置きが長いですが、下記の仕様で作ってみます。

  • Type-Cの全端子をチェックする
  • aitendoの1.77インチTFTに表示する
  • 端子のチェックにはシフトレジスタを使用する(595x2で出力、165x2で受信)
  • CCのRp,Rd,Raを検出できるようにする
  • 制御と表示は、mbedベースのTargetマイコンにfreescale(NXP)のMKL25Z128を使用する(制御ソフトはmbedで作る)
  • 電源はUSBから取る(電池駆動しない、使いたいときに屋外ということはまずないだろうし、USB電源ならなんかあるでしょうし)

まず回路図です

usb-checker_Project.pdf

実はこの回路、ちょっと(かなり)まずい部分があります。完成品は18個の抵抗と4か所のジャンパーがあります。

チップ抵抗とSSOP端子に立てて実装しジャンピングしてます。わかると思いますが、入力端子に論理固定抵抗がないために、未接続端子が不定(HだったりLだったり)になるということです。なので、入力のHC165の全端子にプルダウン抵抗を付けて論理固定してますということです。抵抗はあまり小さいと接続時の検出に影響を与えてしまう、特にCC端子。またプルアップでは信号加えた時と開放での判断ができなくなるので、1MΩでプルダウンしています。

で動作結果です。ポートA(TESTと記載)にC→Aレセプタクル変換アダプタを接続した例です。

Bに接続されないため、全部NCですが、GNDとFGが接続されていることが分かります(※Type-C規格ではシャーシとGNDはCプラグ内で接続することが要求されています)。それで、ケーブル内にプルダウン抵抗が検出されました(Rdは本来5.1KΩ)が高めに算出されております、たぶんとGNDとFG側への漏洩によって分圧が上がっていることが原因と考えていますが、実験でもはっきりしていません(たぶんこのままと思います)

上の白いのはMacBookAir付属の充電ケーブルです

面白いです。Raを検出しeMarkedケーブルで3Aを超える充電は可能だが、SSは接続せずUSB2.0ケーブル。これだと映像は流せませんが、Appleの説明では充電ケーブルと書いてあります。

Edionで購入のELECOMのUSBCケーブル

SS接続はなく3AまでのUSB2.0の充電ケーブルですね

STマイクロのSTUSB1600の評価基板に付属のUSBケーブルです

SS端子の接続とSBU、それに、Raが検出されているのでe_markedケーブルです(本来1Kですがやはり高めに出ます)

C→Aプラグの変換ケーブル

FG接続と、Rpが正確に検出できています。

一応、自分的には使えるToolになりました。もう1台作って終わりにします。論理固定とか不具合ありますが、2作目は設計していますが製作はやめておこうと思います。(もうちょっといい案が浮かんだら考えるかもしれません)

USB-Cコネクタ

コネクタはMolexのを選定しました(217183001)、半分はDIP足で半分はSMTになっている、よく見るものですが、SMT側の金属部分が上面の角の2か所で接続されているので、ここをニッパでカットすると、SMTの足が見えるようになります(手はんだのためです)。これのおかげで、基板厚みは1.0mmと薄くなってしまいました。1.6mm厚の基板に対応できる、全端子のDIP+SMTのはんだ付けしやすそうなのは、まだ見つけられていません。

 

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